投稿日 2021-06-22 更新日 2024-12-26
「連続編モチーフと作品集」
モチーフの連続編みとは、糸を切らずにモチーフつなぎが編める、すばらしくて美しい技法です。感慨深い技術です。
この記事では、その連続編技術本を「昭和版・平成版・令和版」と、3冊ご紹介しています。
また、昭和に出版されたオリジナル本が、平成の【増補改訂版】である再出版本よりも、魅力的に感じるのはなぜか?を考えてみました。
編み物本
『連続編モチーフと作品集』
『連続編みモチーフの模様集』
2008年発行・新刊
続いて。その『連続編モチーフと作品集』の【増補改訂版】として、新たに平成20年に発刊された模様集が、こちら。
本のタイトルが『連続編みモチーフの模様集』と若干変更されています。
扉を開いて「はじめに」に、
本書は昭和42年発行の「編物技術シリーズ4 連続編モチーフと作品集」を増補改訂して編集をしたものです。
とあります。
【増補改訂版】だから、中身はお揃いだろう。カラー刷りになったらしいから、昭和版よりも、見やすく詳しくなってるんだろう。と解釈し、平成に発刊された【増補改訂版】『連続編みモチーフの模様集』も購入しました。
本の違い・魅力
平成版はカラーで見やすい
平成版の【増補改訂版】『連続編みモチーフの模様集』は、紙がつるつる、カラー刷り、文字も図も大きく、編み図がぐっと見やすくなっています。実際に編むためには、かなりかなり、わかりやすくなっています。
が、私感ですが、なんとなく薄まった感があります。昭和版にある"文化という味わい"が足りない。そうなんです。平成版では、日本語の説明と作家さんの想いが、文章が、カットされていました。
昭和版には文化がある
カットされてしまった、その”文化という味わい”は、私にはとても重要です。編むという行為のそばで代々共にあったものだから。日本語による解説、作家さんの想いとともにあるモチーフの作品たち...
編集業に携わったことがないのでわからないけど、これだけの差があるとしたら、【増補改訂版】ではなくて【改訂版】と呼ぶんじゃないだろうか...
昭和版:名前あり。日本語の文章がある。 平成版:ナンバー打ち。文章が少ない。
和名の魔術
モチーフに命名する
昭和版『連続編モチーフと作品集』で、味わい深いもののひとつに「モチーフへの名付け」もあります。なんと、60点のモチーフすべてに「柔らかい名前」をつけてあるのです。
森羅万象からそれぞれのモチーフ編みを考案し、産まれたモチーフたちによく似合う名前を付けてくださった先達の想いに癒されます。
こでまり、お花畑、淡雪、マロニエ、カーニバル、はるしゃ菊、さくらんぼ、切り紙細工、くるまぎく、花ごよみ、追い羽根、星影、プリズム、水車、モビール、小菊、蛍狩り、メリーゴーランド、花まつり、ゆきわりこざくら、ききょう、ブーケ、野ばら、紙風船、梅ばちそう、からたち、花吹雪、みやまりんどう、手まり、なでしこ、星空、花のシャドウ、かざぐるま、モザイク、きんせんか、まりも、花時計、クリスマスローズ、なんきんこざくら、あおい、おとめつばき、ステンドグラス、モール細工、パンジー、さわぎきょう、るりたまあざみ、舞扇、クロスワード、アカシア、はまゆう、くす玉、ハイビスカス、エコ、ケルン、やぐるまそう、シラネアオイ、アネモネ、花亀甲、マーガレット、花のインサーション。
漢字、ひらがな、カタカナ、和語の穏やかな響き。名前を羅列するだけで感動しています。日本語は美しいです。日本語そのものに圧倒的な力があります。誇れる文化です。
名付けには愛がある
同じモチーフのことを、「NO.58」 と呼ぶそっけなさ。「星影」と名付ける優しさ。
名前がついていると大事にしますものね。名前を知るとぐっと親近感と愛情が湧きますよね。知らなかった誰かも、朗報を聞いた赤ちゃんも、犬もねこも、草花も、道具も、場所も、食べ物も、毛糸玉でさえ。
どの季節のもとに名付けられ、どんな風であってほしいと願い名付けられたのだろう? 想像した瞬間、愛情がこちらにも伝染し、おのずとほんわかな気持ちになります。
感性もDNAも守り続けたい
最近とみに感じることが多いのですが、時代は、私達は、進化している気がしていただけで、後退しているのではないだろうか?
不思議な時代に突入したこともあり、日本人らしい感性の豊かさや美しさ、日本人のDNAを大事にしていかなくちゃ、と思います。
この感情、最近のあれこれ、もっと書きたいけれど書けない部分まで通じてくださる方がいてくださったら嬉しいです。。
そんな感性の方々と、ずっと創り続けて、守り続けていけますように★
令和版の最新はこちら↓ 2024年1月発売
それではまたね。
今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
◎「石垣編みのマスク」はたくさんの方が編んでくださいました。当時、上に書いたようなことを考えたわけはなかったけれど、そう呼んでくださって、そんな想いを感じて、心を込めて編んでくださったのかもしれないと、この記事を書きながら、思ったりしました。あらためて、ありがとうございます♡
★今日も編み針と毛糸とともに穏やかな一日を過ごせますように*お互いに笑. ご訪問ありがとうございます. らびゅ~♡
編み方などの内容は個人でご自由にお楽しみくださいね.
ただ、ブログ内の画像・文章はたりるんの著作物です.
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「ヴォーグ学園1年生の頃のたりるん」に「編むことや生きることで少しだけ経験を積んだたりるん」が、そういう話を「手渡ししたい♡」と願って置いているブログです